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田口 光正; 小嶋 拓治
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.181 - 182, 2006/01
MeV/n級のC及びNeイオンを照射したフェノール水溶液におけるOHラジカル生成の微分G値を、水中で連続的に減弱するイオンエネルギーを関数とした答えを求めることによりトラック内の反応の解析を行った。今回は、OHラジカルの捕捉剤であるフェノールの濃度を変えることで、OHラジカル収率の経過時間依存性をイオンエネルギー依存性とともに検討した。この結果、イオンエネルギーあたりのG値である微分G値は、水中におけるNeイオンの比エネルギーとともに大きくなることがわかった。また、平均反応時間をそれぞれ1.5, 2.5及び15nsと変えた場合、微分G値は、イオン照射直後(1.5ns)では比較的大きな値を示したが、時間経過に伴い小さくなりCo -線で得られたG値(2.7)に近づいた。この結果は、水中に局所的に生成したOHラジカルの拡散挙動を示唆している。